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MediBang Paint×KUMADORI×refeia 人気イラストレーターrefeiaさんによる板タブレビュー!

2019年秋に発売されたペンタブレット筆や写楽KUMADORI、その値段の安さから発売直後に即完売し大きな話題となりました。実際のところどんな使用感なのか?不具合はないのか?他のペンタブレットと比べて遜色ないのか?という点を「ITmedia」などのWEBメディアでもお馴染み、幾つものペンタブレットのレビューを手掛けてきた人気イラストレーターのrefeiaさんに検証していただきました!無料ペイントソフトの「MediBang Paint」と合わせて使った時の使用感、使いやすさなど詳しくお話を伺います。

※本記事は2020年春からMediBang Paint公式サイト様の「TOPICS」に掲載されていた内容を再編集したものになります

手作りのはかりでオン荷重と最大筆圧を計測?!

まずrefeiaさんが取り出したのはなんと手作りのはかり(天秤)…!!はかりの片側にはペンを、もう反対側には重りを付けることでオン荷重(ペンが筆圧を認識するのにどれだけの力が必要か)や最大筆圧(筆圧MAXにどれだけの力が必要か)の数値を計測できる仕組みです。refeiaさんはペンタブレットの新製品が発売されると実際に検証せずにはいられないので、ご自身でこの装置を作ってしまったとか。

早速KUMADORIのペンを天秤に括りつけた状態で、反対側に少しずつコインを足して重さを加えます。その荷重をキッチンスケールで測ってみたところ、約6gがオン荷重という結果になりました。つまり最低でも約6gの力をペンに加えると、はじめて線が描ける仕組みです。6gはかなり微弱な力なので、筆圧が弱めの方でもしっかり認識する値と言えそうです。

次に最大筆圧も計測。KUMADORIのセールスポイントのひとつが8192段階の筆圧感度ですが、一体どれだけの力を加えるとMAXのレベル8192に達してしまうのかを細かく検証します。ドライバの筆圧設定画面を見ながら重りを増やしていくと、126.6gの重さを加えたところでMAXのレベル8192に到達。つまり最大筆圧は126.6gという結果になりました。

オン荷重・最大筆圧の二つが低いことから、refeiaさんからは「どちらかというと筆圧の弱い方にお勧めの繊細な板タブ」とのお言葉をいただきました。微細なタッチでかすかな線や柔らかい塗りを表現したい時にもしっかり応えてくれます。筆圧の強めな方にはドライバとペイントソフトの両方で筆圧設定をカスタムしていただくことで快適に使えそうです。

尚、ペンの重さは13g。refeiaさんからは「軽くて充電不要なのですぐに使える、長時間使用しても疲れにくいペン。使用感がApple Pencilに似た感じで使える。ただちょっとペン先の沈み込みが気になるかも…」とのコメントでした。次の製品では是非沈み込みを構造的に改善できるように善処します!

ジッターって何??

次にジッターの有無を確認しました。ジッターとはペンタブレットでゆっくり斜めに線を描いた時に、線が波打ったりガタガタになったりする現象のことを指します。実際にKUMADORIを使ってフリーハンドでゆっくりと、斜線を目視で引いてみます。何本か引いてみて、もしパターンのような揺らぎが発生した場合はそれがジッターです。

このように斜線を何本か引いてみましたが、特に問題なく線が描けています。ペンを寝かせた状態でも同様に引いてみましたが、ジッター特有のガタガタした線は今回確認できませんでした。ジッターに関しては安心して使えそうです。

レイテンシー(遅延)と作業領域

次はレイテンシー(遅延)の検証です。基準になる横線を1本引いてから縦線を何本か引いて、手元のペン先より画面内の描画が遅れるかどうかを120fpsの連写撮影をしたコマ数で計測します。結果は5/120(120fpsにおけるフレーム数のうち5)、遅延に関しても殆ど気にならないレベルで使用できます。また、KUMADORIのB5サイズに近い作業領域にも注目。他社製タブレットに比べて感知領域が広いので大きく手が動かせるのは魅力的なポイントの一つです。ただ、フタなどをなぞって真円を描こうとすると何故か少し横長になる現象が…!こちらはドライバから作業領域の設定をデフォルトから「画面比率」に変更することで解決できます。

「KUMADORI」にはショートカットキーも左に物理キーが12個、上にソフトキーが16個、合計28個と豊富に備えているので「左手デバイスいらず」とのお言葉をいただきました。確かに今や必須の左手デバイスも、これだけショートカットキーがあれば「KUMADORI」だけで十分対応できそうです。

いよいよライブペインティング!

さて、ここからはMediBang Paintを起動して、実際にイラストを描いていきます。MediBang Paintのブラシの反応の良さや軽快な動作はrefeiaさんに魅力的に映ったようで、「高スペックなPCでなくてもブラシがすごい勢いで付いてくるのが気持ち良い」「デジタルだとどうしても一枚隔てた感があるのが常ですが、これはダイレクトに描ける感覚が強いです。筆を動かす原始的な楽しさがイイですね」といたくお気に入りのご様子です。

デジタルイラストといえばパソコンのメモリが足らずペイントソフトの動作が重くなったり、マシントラブルで思うように描けなかったりというリスクがありますが、そういったマイナスの印象を払拭するようなレスポンスの良さは特筆すべきポイントです。MediBang Paintならデジタルイラスト初心者の方でもノートにちょこっと落書きする感覚で快適に使えそうです。

また、MediBang Paintの強みといえば何と言ってもマルチデバイス対応とクラウド保存。外出先や移動中のすき間時間にタブレットで下描きやラフを描いて、帰宅後にPCで線をクリンナップして作業を開始することも可能です。

チーム制作機能を使えば専門学校などで先生(リーダー)が、生徒(メンバー)の作品の進捗確認や赤入れをすることもできるので、専門学校で講師をされているrefeiaさんにも是非ご活用いただきたい機能です。

およそ30分程度で「KUMADORI」らしい和装の女の子の色ラフを描き下ろしていただきました!他にもMediBang Paintならではの魅力として、メニューを左カラムから自由に抜き出したり戻したりカスタムできる点や、ドットブラシなど他のペイントソフトにはない機能が付いている点を評価されていました。

板タブと液タブ、それぞれのメリット・デメリットは?

最後にrefeiaさんに板タブと液タブ、それぞれのメリット・デメリットや特徴について伺いました。筆や写楽「KUMADORI」に限らず、板タブ・液タブどちらを買えばいいのか迷っている方は是非参考にして下さい!

板タブの特徴

  • 板タブは椅子に座って正しい姿勢を保ったまま描けるので、身体に負担がかからず疲れにくいです。
  • 液タブと比べると遥かに価格が安いので気軽に購入することが出来ます。価格的に消耗品として買い替えることも容易です。
  • 表面に好きな素材を貼りやすく、自分の好みに応じて摩擦(描き味、描き心地)を簡単にカスタムできます。貼るシートも透明の必要がありません。
  • 使いこなすまで少し時間がかかりますが、慣れてしまえば画面内のポインタと手元のペン先が離れていても正確に描けるようになります。
  • プロの現場では塗りの工程で板タブが使用されることが多いです。

 

液タブの特徴

  • 前のめりの姿勢で大きな画面に向かって描くので、とにかく目・首・肩へのダメージが大きいです。
  • 価格が板タブに比べると高額なものが多いです。
  • 高品質な描き味の機種はありますが、摩擦は平均して板タブより小さく、シートなどカスタマイズの余地も板タブより小さいです。
  • デジタルイラストに慣れていない人でも直感的な操作が可能な為、すぐに始められます。慣れるのも早いです。
  • 画面に直接描けるので線を正確に引けます、ラフや線画作業には最適です。

 

いかがでしたでしょうか?初心者の方には是非「KUMADORI」と「MediBang Paint」のタッグでデジタルイラストに挑戦していただけると嬉しいです!refeia様、ご多用のところ大変詳細なレビューをお引き受けいただきまして、本当に有難うございました!

 

MediBang Paint

「MediBang Paint」はイラスト・漫画制作には必須の無料ペイントソフト。PC(Windows・Mac)・タブレット・スマートフォンと様々なデバイスに対応。クラウド保存システムを使えばいつでもどこでもそのまま作業を保存・再開できます。もちろん筆や写楽「KUMADORI」も動作確認済み、安心してお使いいただけます。

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refeia

研究開発系エンジニアを経てフリーランスのイラストレーターに転身した異色の経歴の持ち主。主にライトノベルのイラストやソーシャルゲームのキャラクターデザインなどで精力的に活動中。現在は東洋美術学校で非常勤講師も務める傍ら、自らが書き下ろした各社ペンタブレット(板タブ・液タブ)のレビュー記事でも注目を集める。

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筆や写楽「KUMADORI」

2019年秋に登場したロープライス・ハイクオリティペンタブレット「KUMADORI」。スタンダードな板タブながら豊富なスペックと圧倒的な描きやすさ、使いやすさで発売から今日に至るまで多くの方々から支持されています。別売りのペーパーライクフィルムを貼った上から描いていただくと、まるで紙に鉛筆で描いているような描き心地を味わえます。

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